こんにちは三茶散歩です。
三軒茶屋の発信をしてると「三茶のお勧め教えて」と聞かれることが増えます。そんな時はいつも迷うもので、追加発注で「三茶っぽいお店がいいな」とも言われるともう絶対失敗できないと、頭の中で三軒茶屋のアルバムを全部ひっぱりだし、ものすごい勢いでページをめくり始めています(笑)
そして結局浮かび上がってくるお店は大体いつも自分がよく通ってるお店。よく考えれば通うほど気に入ってるお店なんだから思い出すのも当然です。
と、そこで思ったのです。なんで自分はこのお店に通ってるのだろう?何が気にいってるのだろう?と。今日は「美味しいだけじゃない理由」と一緒にお店を紹介したいなと思います。もちろん三茶散歩的な価値観ですので、皆さんにとって一つの指標になれればと思っています。
行くと三茶民になれた気になる「大衆割烹 味とめ」
おそらく最もスタンダードに「下町、三軒茶屋」を体験できるお店だと思います。もうずいぶんと前からすずらん通りにお店を構える「味とめ」さんですが、決して古参の方たちだけが集うお店ではありません。三軒茶屋にはこの街で生まれ育った人もいれば、全国から上京して最初に住む方もいる人気の街です。常に街は新陳代謝され、その分お客さんの流動性も高いでしょう。
味とめさんはそんな新しいお客さんを向かい入れてくれる温かさがあります。例えば突然となりで女将がお通しを作り始める。そして急に「たべていいよ」と渡される。お通しはずいぶん前にもらったのに、です笑。
この店に初めて訪れた思い出も忘れません。まだ暖簾をくぐったことにない私はちょっとだけお店の前でドキドキしていました。その時おみせから出たお客さんが「あ、今空いたよ、入んな」と声をかけてくれたのです。ずっとある店のお客さんはお店の写し鏡の様に思っています。女将もお客も門戸を開き、向かい入れてくれる。それがお勧めしたい理由です。
マジで三茶に来たらここ、ってくらいのお店
自分だけの秘密のレストラン発見!「たべろや」
お店から出るときは、もう既にこのお店のファンになっていました。絶対友達を連れてこよう、そう思いました。ここは自分だけの秘密にしたいレストラン。でも連れてくるならこのお店。そんな大いなる矛盾を作り出す魅力あふれる町イタリアンが「たべろや」です。
「たべろや」さんは 三軒茶屋の三角地帯を少し抜けた先にある、人当たりの良い美男美女なご年配夫婦が営む町イタリアン。小皿は350円から用意され、全体的にお手頃な値段で色々頼める価格帯が多い。おすすめはガーリックライスやローストビーフ。美味しくあってほしい料理を美味しく出してくれるお店です。
穴場感があり値段も手頃ならそれだけで「見つけた」と喜べるのですが、それ以上にステキだったのがホール担当のママさんの心地よい声のトーンと優しい口調。ずっと話していられます。ガーリックライスをお願いしたとき「みつけましたね(笑)」と柔らかいトーンで答えを教えてくれた瞬間、ああこのお店は好きになれると思いました。
三茶でパーソナルトレーニング誰と来ても会話が膨らみそうだし、一見こわもてのマスターも、話すと全然そんなことなくてよく笑ってくれ、街のいろんな話が聞ける。話し込みすぎてお二人の帰りの時間が遅くならないようにしなきゃと思ったほどです。美味しいだけじゃない秘密の町イタリアンです。紹介して繁盛して、マスターとママが忙しくなるのが心配になるくらいです。余計なお世話なのでしょうが。ちなみに私は「にんにくスパゲッテー 950円」が大好きです。表記センス込みで。
秘密にしたいくらいいいお店
ヒトに会いに行きたくなる串焼き屋さん「くし頌」
栄通り商店街を抜けた先、裏三茶エリアにある岡山県にゆかりのあるくし焼き屋さん。これまで三茶散歩で何度も紹介してきたお店です。
仕事帰りの0時過ぎ。この時間友人と軽く飲んで帰ろうと入ったことが初めて訪れたきっかけでした。「いらっしゃい」と女将さんに(女将さんと気がつくのはその後になるのですが)声をかけられた時、とても気さくな印象を受けました。まるでなじみのお客様さんに声をかけているかのような距離感。これがこのお店の人柄だと気づくまでそんな時間はかかりませんでした。
東急でんきその後気がつけば私たちは女将と一緒に飲んでいました。時間は深夜1時。なぜここでお店を開店したのか、それまで何をしてたのか、マスターとはどこで知り合ったのか、色々な話をしてくれました。
先に言っておくと私はいつも誰かに話かけられたいタイプではありません。一緒に来た友人とゆっくり近況を話したり、仕事の話をしたり、次の旅行の予定を立てたり、どちらかと言えばシャイなほうで、自分たちで話込むことが多いです。
ですがとってもいやじゃなかった。話せば話すだけ今が楽しくなる。女将からは元気がもらえます。人生相談を一回しかけようかと思ったほどです笑。いつも笑って話かけてくれるくし頌の雰囲気は友人を誘って紹介したくなるお店、いやむしろパワースポットなのかもしれません。
ここの牛串はほんと最高
街に潜む素敵なチョコレート工場「クラフトチョコレートワークス」
油断していると見落として通り過ぎるくらいの存在感の「クラフトチョコレートワークス」。それはつまり、街に馴染んでいるということを意味します。だからより見つけた時の発見が嬉しくなる。まずここが第一の幸せpoint。ちなみにこういう「偶然の出会いによる幸福」をセレンディピティと呼びます。
次に中に入ると落ち着く店内。ミニマリスト的な空間演出にいくつも並べられた見たことのないチョコたち。パッケージがどれもオシャレで、おまけに試食もいただける。立て続けにやってくる発見の連続にすでにこの店の虜になっていて、心の中で 「やばいいいとこいつけた」 呟いてる自分に気が付きます。2つ目の幸せpoint。
チョコばかりに目を取られることに気が付き、くるっと店内を見渡すとまた新しい発見が飛び込んできます。 奥でテーブルに盛られた山盛りのカカオを今まさに職人さんが調理してるのが目に入り 「ここで作ってる!?」 と心で呟き、 レジの奥にソフトクリームを作ってる店員さんを発見すると「ここで食べれるじゃん!」と目を膨らませ、「絶対美味しいやつ!」と声が出る。ここまでワンストップで3秒くらい。ここはチョコレートのほかにセレンディピティも作るすてきな工場でもある。
わざわざ散歩しに行く価値ある
三角地帯を見下ろす畳座敷で焼肉「たれ焼肉 金肉屋」
三軒茶屋に焼肉やさんはたくさんあり、どこへ行っても正解だと思う中、なぜこの三角地帯にある「たれ焼肉 金肉屋」を推すか。それはどのお店よりも「くつろげる」から。実はここ密集した三角地帯の中で、二階に階段を上がると現れる隠れ家のような畳座敷があります。まるで田舎のおばあちゃんちのような懐かしさと、 秘密の基地を見つけた少年のような物心が沸き起こります。
ヒトによっては「靴を脱ぐのがちょっと」とか、堀ごたつ式ではないので「足がつらい」など、必ずしも同じ価値観でない場合だってあると思います。でも靴を脱ぎ、二階へトントンと民家を上がり、まるで誰かの家にお邪魔してるような気分になる畳マジックはかなり心の靴も脱いじゃってます。
このお店の楽しみ方はここからで、まず三角地帯という三茶の名所を二階から見おろす景観はなかなか粋なものです。また店員さんを呼ぶときはチリンとベルを鳴らす趣も嫌いじゃない。生マッコリをボトルで頼み、シュワっとした微発泡を楽しみながら、一頭買いで手ごろな価格で頂ける希少部位を船盛りと肉刺しで頂く幸福感。 いつの間にか畳の家にいる気持ちになるが、不意に脇を眺めればまだ店を探して歩き続ける人が目に入る。「こっちはもう二階でゆっくりさせて頂いてます」とにやけながらさっき頼んだ マッコリを 手元のグラスに注ぎグイっといく。 その瞬間 「ああ三軒茶屋っていい感じ」となんかうれしくなる。ここは三茶の第一印象を上げてくれるいいお店です。
三茶にいること忘れちゃう