こんにちは、三茶散歩です。
三茶にお寿司やさんができました。
群雄割拠な三軒茶屋の夜のシーンに、とっておきのネオ大衆寿司屋が誕生しました。表面的なPRのウケ狙いなお店ではなく、しっかり焼き付く印象を残すほど興奮が持続するお店、それが「寿司とワイン サンチャモニカ」なのです。
待望のお寿司居酒屋。でもそれ以上に色もデザインも三茶っぽくて可愛いところがいいよね。
三茶に寿司という新ルートが生まれる。
ふと思い返すと、あれは三茶散歩のタイムラインに流れ込んで来たときだったと思います。
「三茶に寿司やができる?」そしてどうも寿司屋ぽくない。
それは三茶にポカンと空いていた寿司のお店だからなのか、
固定概念を取っ払ったネオ大衆酒場感が漂うからか、
それとも心躍るネーミングに期待がつのるのか。
出会ったときからときめいて、何より「あ、これは三茶に新しい風が吹くんだな」と思いました。
食べ方がヒトによって違う、まぐろ三重奏。
それから約1ヶ月。あっというまに既に3回目のサンチャモニカになっていました。
何でそんなにハマれたのか?
それは頼んでないメニューがたくさんある、からではなく、同じモノを何度も食べたくなる工夫がとっても楽しかったからなのです。
例えばこの「まぐろ三重奏」
もしこのヒトサラに出会った時、あなただったらどんな食べ方をしますか?
一気に頬張ってもよし。
一番上を品よく刺身で頂くのもよし。
誰がどんなふうに食べても全てが正解。
だれの食べ方も認めてくれそうな一品。
でもこの何気ない挑戦状がとっても楽しい。
「え!笑 これどうする?どうするこれ?」
「一気に食べてみよう!」
「なんかそれだともったいなくない?笑」
「とりあえずそれ見てこっちは決めるから!笑」
「なんだそれ!」
そんな会話がそこらかしこで起こるのです。
初めての人は、大いに迷い
二度目の人は、工夫を凝らし
三度目からは、教えてる。
こんな楽しい事ありません。
体験させる、お寿司。
追体験させたくなる三重奏。
これは何度も来るわけです。
いや、本当のことはわかんないですけどね。
ただ見た目の面白さに目が行きがちだけど
お寿司がそんな想像させる、なんてこれまであったかなって思うのです。
だから流行ってるんじゃないかなって思うんです。
人気の秘訣は「問いかけていること」
人によっては「こんなの寿司じゃないよ」と声が聞こえてきそうなこの状況を、オーナーの綱島さんはそういう声も受け入れながら模索していきたい、とおっしゃっていました。
「それでもこのメニューを出したいと言った時、料理長や仲間がやりたいことを面白がってくれた、これがまず私の勝算だったかもしれませんね笑」
価値観が全員同じだったことがその一歩を踏み出せた、と嬉しそうに教えてくれました。
「今は居酒屋もお寿司も、いいものをみんなどこでも食べられる。そんな時代です。
特に三茶なんてレベルが高い人たちばっかりです。だからこっちが答えを作るより、想像してもらった方がきっと今の人達には合うと思うんです。」
誰かが答えを与えてくれるより、こうだったらいいと思うんだけどどう?と提起されたほうがきっと楽しい。色んな試行錯誤がテーブルの上で展開され、囲んだ仲間と会話が生まれ、笑い声となり、満足に繋がる。
「想像してもらった方がきっと楽しい」
サンチャモニカが面白い理由がこの一言に詰め込まれていると思いました。
一度目より二度目、二度目より三度目のほうが楽しいお店。
このお店につい何度も訪れたくなる秘訣は「問いかけていること」なのだと感じました。
大胆なオファー
もう一つ紹介したい「お寿司」があります。
ホタテを頼んだはずなのに、期待を超えてきたホタテ。
つい綱島さんに「これすごいですね」と話かけていました。
すると
「まだこいつに名前がないんですよ、ネーミングしてくれませんか?」
大胆なオファーが返ってきましたが
それが綱島さんのスタイルなんだとすぐわかりました。
「ホタテ」とは思えないこのヒトサラ。
あ、もう一貫ではなくヒトサラと思ってるなぁ。そんなことを思いながらたちまち十数案のネーミングをその場で提案していました。
ホタテの花飾り。が選ばれた理由
「直感で『ホタテの花飾り』ですね!」
その夜、深夜に連絡が返ってきて名前が決まりました。
数日後
綱島さんから新しくなったメニューの写真ともに「この名前に変えてから、お客さんにとっても楽しんで頂けるようになり注文も増えました!!さすがですね、ありがとうございます」と返信が来ました。
ハッとしました。
実は選んでもらった案以外に推したかった、でも選ばれなかった案がありました。
「つまみになるホタテ」
選ばれなかったネーミングは、ただの説明になっていました。一方選ばれたネーミング「ホタテの花飾り」は、ちょっと想像が必要でちゃんと問いかけになっている。
ーお客さんにとっても楽しんで頂けるようになりました。
そう聞いて、私はハッとしました。サンチャモニカが楽しいのは想像できるから、問いかけているから。どちらが想像を起こしやすいか?そうわかると答えは一つしかありません。
ああ、ここでもサンチャモニカの哲学がしっかり込められてる。
シンプルに決めたようで、その奥行は深く、軸のしっかりしてる世界観があったのです。
問いかけるお寿司屋、サンチャモニカ。
もともとは大手企業の執行役員。いくつもの新規事業を担当して来られた。だからネーミング一つ選ぶ感覚も鋭く、判断も早い。
表面的なPR情報で作られた一時の賑わいがどれほど空事になるのか肌感があるのだと思います。でも、とても謙虚、そして行動的。
「いろいろ教えてくださいね、今度飲み行きましょう!」
後日、この盛況で多忙の中ようやく取れたお休みに飲みに誘って頂きました。これはそのときのエピソードを交えながら書きまとめたものです。
届けているのは答えじゃなくて、想像させること。
問いかけるお寿司やさん「サンチャモニカ」
また三軒茶屋に、理念を面白いお店が増えました。